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2006/12/01

<鳳仙花>◆親子対話を訴える韓日公共CM◆

 ある日、テレビを見ていると韓国語で「父親は、もっと子どもと会話を」と訴えるCMが流れてきた。続けて、「受験生を持つ両親は、子どもの気持ちも考えて」と警鐘を鳴らす日本語のCMが流れた。ソウルの友人にこの話しをすると、韓国でも全く同じ内容のCMが放送されていると言う。営利を目的としない韓国放送広告公社と日本の公共広告機構が展開している「韓日共同キャンペーン」のCMである。

 両国で別々に制作したCMに字幕を入れ、昨年11月から継続的に放送している。韓国では、日本のCMが放送されたのは初めてで、そういう意味で歴史的なキャンペーンと言えるかもしれない。

 韓日の交流はさまざまな分野で深まっているが、こうしたCMが茶の間でも目にするようになり、両国の垣根が低くなっていることを改めて実感させてくれる。

 今回の韓日共同CMキャンペーンのテーマは「親子のコミュニケーション」。両国は今、急激な少子化を迎え、子どもは塾や習い事、両親は共働きで忙しく、親子のコミュニケーションが減っているという問題を抱えている。

 日本の国立女性教育会館が発表した「家庭教育に関する国際比較調査」によると、韓国が「父親が子どもと過ごす時間が最も少ない国」にあげられており、日本も韓国に次ぎ下から2番目だった。

 日本よりも家族や人と人のつながりが深いといわれる韓国。だが、核家族化や少子化で、子どもを取り巻く環境は大きく変化したということなのだろう。それにしても、抱える問題は日本と酷似している。

 韓日共通の課題をあげれば、格差問題もそうで、数多くある。公共CMでも、これを契機にどしどし共通課題を取り上げ世論を喚起してほしい。(U)