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2006/10/06

<鳳仙花>◆「韓流ファン」安倍首相夫人に関心◆

 安倍晋三首相が就任後初の外遊先として韓国と中国を選んだ。冷却したアジア外交の建て直しを図りたいという新首相の意欲を歓迎したい。

 9日に訪韓し、盧武鉉大統領との首脳会談に臨むが、韓国でも新首相への期待が高く、就任と同時にマスコミがこぞって安倍首相を取り上げている。ところが、韓国でにわかに脚光を浴びているのが、5年ぶりに誕生したファーストレディの昭恵夫人。テレビやネットで紹介され、大もてだという。

 その理由は、昭恵夫人が熱烈な「韓流ファン」であるためだ。「冬のソナタ」ですっかり韓国ドラマにはまり、韓国語も勉強していると伝えられると、韓国で一気に株を上げた。2004年9月に安倍氏が与党幹事長訪韓団の一員としてソウルを訪れた際に夫人も随行、お気に入りの俳優(歌手)パク・ヨンハと面会し、韓国語で話したという。

 「韓日関係者の間に安倍夫人期待論がささやかれている」持ち上げる韓国紙。「日本のヒラリー(クリントン米前大統領夫人)」という評も聞かれる。このように、日本の首相夫人が韓国でもてはやされるのは前代未聞のことで、韓日関係の改善に大いにプラスにはたらくだろう。

 83年1月、就任したばかりの中曽根康弘首相(当時)が、米国を最初に訪問するという当時の慣例を破り、韓国を訪問した。歓迎晩餐会で中曽根首相は、「チョンドファン テトンニョン カッカ」(全斗煥大統領閣下)で始まるスピーチを韓国語で行い、二次会では全大統領と肩を組んで「ノーランシャツ(黄色いシャツ)」を熱唱した。これで韓国の人々の対日イメージを変え、教科書問題で険悪となっていた韓日関係の好転に役立ったといわれる。

 安倍首相の訪韓には昭恵夫人も同行する。夫人は、「日本と韓国のために少しでも力になれたら」と話しており、ぜひ得意の韓国語も使ってギクシャクしている韓日関係を和らげてほしいと思う。(G)