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2006/07/21

<鳳仙花>◆在日中国朝鮮族の台頭◆

 中国朝鮮族研究会という会がある。日本に住んでいる中国朝鮮族の集まりで、6年前に発足、会合などを重ねている。先日、彼らがまとめた「朝鮮族のグローバルな移動と国際ネットワーク」の出版記念会を兼ねた勉強会に参加する機会があった。顔ぶれは大学教授、研究者、医学者、学生など40人ほど。在日朝鮮族はこの10数年に急増、現在5万人にのぼり、このような会の必要性が生じたのだろう。

 中国朝鮮族は約200万人に達する。ルーツは韓半島にあり、日本の植民地下、中国大陸への移住が始まり、特に1932年の満州国成立後、移住者が激増した。現在の中国朝鮮族はその子孫の2、3世である。約40万人が移住や留学、就労などで海外に居住。朝鮮族のグローバルネットワーク化が進展している。

 さて、勉強会ではアイデンティティー問題が話題になった。「子どもは日本で生まれ、日本の学校に通っている。私たちは中国朝鮮族だよといっても、変なこと言わないでと反論されてしまう」「果たして我々は何人なのか。3秒以内で答えることができるか」という自問が出たほどである。韓半島にルーツを持ち、中国で生まれ、日本で生活している。国籍は中国だが、日本籍取得者も増えている。また、日本生まれの2世も誕生している。確かに3秒で説明するのは難しい。

 そうした議論の中、勉強会に参加していた在日2世から「私もアイデンティティーには悩んできた。時間をかけて解決していくしかない」との発言があった。こんな議論を聞いていると、全く同じような悩みを抱えた「新しい在日同胞」ではないか、と思えてくる。

 中国朝鮮族は、華僑とのネットワークがある。コリアンネットワークと結びつけばその広がりはさらに大きくなる。在日韓国・朝鮮人も彼らとの連携を深め、在日コリアンのすそ野を広げ、来るべき東アジア時代に備えるべきではないだろうか。(S)