世界のサッカーファンが待ちわびていたW杯ドイツ大会の開幕から1週間。参加32カ国の初戦が終わり、いよいよ盛り上がってきた。延べ300万人以上の観客と延べ300億人を超えるテレビ観戦者を熱狂させるスポーツは、サッカー以外にないだろう。
このW杯の熱戦に負けじと、17日に韓国の全州で韓日の国会議員が親善サッカーを行う。韓国の「国会議員サッカー連盟」(張永達会長=ウリ党)と日本の「サッカー外交推進議員連盟」(衛藤征士郎会長=自民党)が02年のW杯韓日共催大会の成功を願って98年に親善試合を実施したのがはじまりで、以後、お互いに相手国を訪問し、年1回のペースで対戦してきた。これまでの戦績は、韓国の3勝2敗1分け。日本がタイに持ち込めるか、韓国が突き放すのか、熱戦を期待したい。
今回の第7戦は、本来なら昨年11月に韓国で行われる予定だった。ところが、日本側のメンバーに靖国神社参拝者が入っていたために、韓国側が参拝者を除外してほしいと要請、日本側が難色を示したために中止になってしまった。とかく韓日間交流は、政治に翻弄されることが多い。それを乗り越え、1年7カ月ぶりに議員サッカーが再開された意義は大きい。交流は続けなければ、相互理解も友好促進もストップしてしまう。
昨年の「韓日友情年」には、両国で相手国を理解するさまざまなイベントが行われ、庶民交流も定着してきた。国民の代表である両国の議員たちがスポーツ交流で友好をアピールすることは、両国間の草の根交流を後押しする力になるに違いない。韓日の外交関係が悪化しているときこそ、このようなサッカー議員交流が大事だと思う。
ドイツW杯の開会宣言で、ケーラー大統領は、「サッカーで地球のすべての民族を一つに結びつけよう」と呼びかけた。韓日議員サッカーが両国民の友好促進の一端を担う交流イベントとして、今後も続けられることを願う。(G)