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2006/04/14

<鳳仙花>◆変貌とげる済州島◆

 韓半島から南へ約90㌔、韓国最大の島が済州島である。温暖な気候と美しい自然で知られ、海外旅行が自由化される前は韓国本土からの新婚旅行のメッカだった。

 近年はホテルとゴルフ場建設が進み、日本からも大勢の観光客がゴルフに訪れるようになっている。

 その済州島がいま、大きく変貌をとげようとしている。

 7月1日から特別自治道となり、高度な自治権を持つ国際自由都市として、香港やシンガポールのような存在を目指す。東北アジア一の観光リゾート都市とするべく、大型リゾート施設、テーマパークなども建設する。

 英語教育にも力を入れる方向で、外国の教育機関も設立が自由になるという。名実共に国際自由都市を作り上げていく計画である。

 済州島は古代、「耽羅国」という独立国家だった。東アジア文化交流の要的存在であり、独自の文化を築いてきた。

 一方では在日社会と縁が深い島である。日本植民地時代には日本陸軍7万人の部隊が置かれ、出稼ぎや徴用で日本に渡る人々が急増した。

 大阪・生野区は、人口約16万人のうち韓国・朝鮮籍が約4万人を占める地域だが、その8割が済州島をルーツにしているという。生野を半世紀に渡って撮影してきた在日2世の写真家、狠呷襪気鵑砲茲襪函「60年代までは済州島の文化が町のあちこちに色濃く残っていたとのことだ。

 最近は韓流ブームの影響で、映画のロケ地ツアーなど日本の女性や若者に人気が高まるなど、済州島のイメージアップが図られている。

 済州道も今年を訪問年として東京、大阪に観光事務所を設置し、観光客誘致に力を注いでいる。「観光立島」として、サービスもトップクラスの観光の島を目指している。

 自由都市構想、そして、「観光立島」の成功を多くの在日が見守っている。ぜひ成功させてほしい。(L)