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2006/04/07

<鳳仙花>◆釜山外大の日本キャンパス構想◆

 釜山市にある釜山外国語大学が長崎県・対馬に第2キャンパスを設置し、来春にも開校する計画を進めている。韓国の大学が日本に進出するのは初めてで、実現すれば両国の学術交流に画期的な転機をもたらすだろう。

 同大学の徐義澤総長が明らかにした構想によると、同大学が今春から設置する日本語学部の学生を対馬キャンパスに送り込むほか、学生や教職員の研修や合宿にも役立て、日本文化研究の拠点にするという。さらに、日本の大学生も受け入れ、韓国語や韓国文化を教えるとともに、地域住民を対象にした「韓国カルチャーセンター」としても活用する方針だ。

 具体的な計画はまだ青写真の段階だが、すでに長崎県や対馬市に協力を依頼し、検討に入っており、廃校となった対馬市の小中学校の校舎を改装して寄宿舎などに活用する案を進めているという。

 釜山と対馬の距離はわずか49・5㌔。晴れた日には肉眼でも見える近さだ。歴史的にも近く、江戸時代に鎖国していた日本は、唯一、韓国と交流していたが、その外交窓口となっていたのが対馬藩だった。朝鮮通信使の案内役を務めたのも対馬藩で、両国の交流に大きな役割を果たした。それを記念して、対馬市では毎年8月に通信使行列を再現する「アリラン祭り」を開催し、韓国からも大勢の観客が訪れている。まさに、対馬は釜山外大第2キャンパスの建設地としてぴったりの場所で、ぜひ実現してほしいと思う。

 最近、日本でも韓国語や韓国文化に対する関心が高まってきているが、体系的に「韓国学」を研究する場は少ない。年間500万人が相互往来する韓日交流時代を迎え、隣国を知るということがますます重要になってきている。そういう意味でも、未来の韓日友好を担う若者を育てることは両国の最優先の課題であり、釜山外大の日本進出を大歓迎したい。(G)