「地球は青かった」―46年前、人類初の有人宇宙飛行に成功したガガーリンの有名な言葉だ。韓国人初の宇宙飛行士、高山(コ・サン、30)氏は、どんな贈り物を届けてくれるだろうか。
来年4月に打ち上げられるロシアの宇宙船ソユーズに搭乗する高山氏は、ソウル大学在学中に山岳部やサッカー部、ボクシング部など多数の運動系サークルに所属、2004年には全国アマチュアボクシング選手権で銅メダルを獲得した強靭な体力の持ち主。大学卒業後は、サムスン総合技術院でコンピューターや人工知能に関する研究をしながら宇宙への夢を育んできた。
そして、応募者3万6206人の狭き門を突破、宇宙行きの切符を手にした高山氏は、「単なるわたし個人の栄光というよりも、韓国宇宙産業の発展に寄与できたらと思います」と語った。
宇宙空間では、植物はどのように芽吹き育つのか、眼球や心臓に無重力はどんな影響を及ぼすのかなど18種の実験を行う。また、韓国食品研究院などが開発した宇宙キムチなど宇宙食を試食する。
宇宙へは、これまでに世界34カ国から456人が飛び立った。韓国としては遅れた感は否めない。しかし、国民は宇宙空間で活動する高山氏の姿を目にすることで、宇宙への関心を呼び覚まされ、子どもたちは夢と希望を抱くだろう。いま、韓国では理系分野の人材不足が深刻だ。再びこの分野に脚光が浴びるきっかけになればと期待したい。
韓国の国土は狭く、賦存資源に乏しい。海洋と宇宙は戦略的にも重要な分野である。政府も、資源が無尽蔵に眠る海洋開発に続き、宇宙開発も重点事業として取り組んでいる。
来年6月には、韓国南海岸地域の外羅老島(ウェラノド・全羅南道)に建設中の宇宙センターが完成する。そして、人工衛星を自力で打ち上げる世界9番目の国となる日も遠くない。
宇宙遊泳に続いて国産ロケットの打ち上げを成功させ、宇宙開発事業の発展につなげてほしい。(U)