今年は記録的な猛暑が続いている。電力消費量もうなぎのぼりに増大し、東京電力は供給不足を心配するほどだ。太陽光発電や屋上緑化など消費電力を減らすための工夫がいろいろ凝らされているが、サマータイム制の導入もその一つであり、韓国の全国経済人連合会(全経連)が韓日共同で同制度の実施を呼びかけたことが思い起こされる。
今年の導入は事実上無理だろうが、日本経団連も全経連の呼びかけに応え日本政府に働きかけるなど足並みを揃えており、来年の宿題として実現が希望される。
サマータイムは昼の時間が長い夏の間に、時計の針を1時間進めるという制度。照明などの電気使用量が抑制でき、二酸化炭素(CO2)の排出を減らして地球温暖化対策につながるとされる。世界70カ国以上が導入、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国のうち実施していないのは韓国、日本、アイスランドの3カ国だけ。韓国エネルギー経済研究院によると、韓国で4~9月までサマータイム制が実施される場合、年間24万4816TOE(石油換算㌧)のエネルギー節減効果があり、電力換算すると総電力消費の0・3%に当たる979・3ギガ㍗時、金額換算でおよそ9070万㌦になる。
韓国は過去、ソウル五輪直前の1987年にサマータイム制を導入したが、わずか2年間実施しただけで、廃止となった。また、同様に日本も戦後間もない1948年にGHQによって導入されたが、52年には廃止。韓日ともに短期間で廃止になった理由ははっきりしていないが、労働時間が増えるなどの弊害があったという。だが、遙か以前のことであり、このような副作用は克服可能だろう。
サマータイム制を導入すれば、交通機関のダイヤ変更など手間もかかろうが、地球環境を少しでも守り、快適な時間を過ごすため、時差のない隣国同士の韓日が共同で実施する意義は大きいと思う。(U)