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2007/08/10

<鳳仙花>◆「未来産業に挑戦する韓国」◆

 人間の五感を感知するコンピューターや、疾病検査用ナノロボットが登場し、人間の臓器を代替する動物飼育が実用化される。これは遠い将来のことではない。韓国の100余人の専門家集団が予測した10数年後の2020年の姿だ。

 さて、冒頭からこの話をするのは、韓国経済は日本と中国に挟まれて危機的状況にあるとする「サンドイッチ論」や、「5年後、10年後に何をして食っていくのか」という未来産業への展望に対して有効に応えるには、科学技術が鍵を握ることを強調したいがためである。

 8月15日は62回目の解放記念日にあたるが、韓国戦争による焦土の中から立ち上がって、世界的にも例のない高成長を遂げたのは、低賃金と長時間労働に耐えて必死に働いてきた勤労者の努力なしには語れない。だが、もうそのような時代でないことは誰もが知っている。

 そこで、何をすべきかということになるが、一つは未来の戦略産業の育成だ。韓国政府は04年から次世代半導体や環境、ロボット、ナノ、バイオなど10大産業を育成する新戦略に取り組んでいる。例えば、超微細のナノ技術を活用、核心部品や素材の性能を高めるなど、製品の付加価値を高めることで経済成長率を1・1%引き上げるという分析もある。

 日本のコメのブランド品であるコシヒカリなどは中国で高値であっても飛ぶように買い求められているという。デンマークの乳製品はその品質の高さで値段は高くてもEU(欧州連合)で最大の人気だという。また、スイスの時計は世界一の高級品だ。小国でも水資源を生かし精密機械産業に集中投資した結果の成果である。

 いま韓国経済は成長か衰退かの岐路にあり、不動産や証券市場に向かっている資金をR&D(研究開発)投資に切り替える時だと考える。政府、企業だけでなく、大学、言論も一緒になって、科学技術に投資して未来を切り開く国民運動を提唱したい。在外同胞も必ずや呼応するはずだ。(S)