先週ソウルで韓日ハイレベル経済協議会が開かれ、両国間の経済懸案について話し合われた。韓日FTA(自由貿易協定)交渉についても意見交換されたが、交渉再開時期や条件など具体的に踏み込んだ話し合いはなかったという。同交渉は、2004年11月以来、3年近く中断状態であり、早期交渉再開が望まれているだけに、残念である。
韓日間にはさまざまなチャンネルがある。韓日ハイレベル経済協議会は、両国の経済・通商分野について政府間で包括的に意見を交わす協議で、1999年から02年まで毎年行っていた。03年12月に韓日FTA交渉が開始したことから開催を保留したが、昨年12月に再開、今回は再開2回目の会議だった。
実は、双方の外交関係者の間には、昨年末の協議で交渉再開の何らかのメドがたつとの見通しがあった。長期間の交渉中断は好ましくないとの認識で一致していたからだ。だが、思った以上に壁は厚く、今回の協議でも韓日FTAについては一般論に終始した。
なぜなのか。そもそも交渉中断の原因は、農産物に対する開放をどの程度にするかということだった。韓国側は日本はもっと開放すべきだと批判した。いうまでもなく、交渉ごとでは妥協が必要だ。100%一方の要求を貫徹することはあり得ない。この当然のことができないわけがない。それが3年近くも店ざらしというのは理解に苦しむことだ。
その間に、韓国は米国とFTAを締結、ASEAN(東南アジア諸国連合)とは一部発効し、EU(欧州)連合とも交渉を始めた。さらに中国とも研究を本格化している。日本も各国とのFTA推進を打ち出している。年末には恒例の東アジアサミットが開かれ、東アジア共同体論議も煮詰まる見込みだ。
韓日がFTAひとつ交渉できないとあっては国際的立場も弱まるしかない。韓日FTA交渉再開への思い切った打開策が必要だろう。それは、両国指導者のリーダーシップにかかっていると思う。(S)