米女子プロゴルフ(LPGA)ツアーでメジャー5勝を含む、LPGA通算23勝をあげている朴セリ(29)が「名誉の世界ゴルフ殿堂」入りすることが決まった。9月23日に公式入会式が行なわれる。
殿堂入りはゴルファーにとって大変名誉なことで、現役では朴がアジア人初。10年間のプレー実績や優勝回数などの条件をクリアしなければならない。女王アニカ・ソレンスタムでさえ殿堂入りは2003年と最近だ。現役以外では日本からも03年に樋口久子、05年に岡本綾子が殿堂入りしている。これまでに、世界から114人、うち女性23人が選ばれている。
朴は1998年からツアーに参戦、同年5月の全米女子オープンで史上最年少優勝、2カ月後の全米女子プロゴルフ選手権でも優勝し、4大メジャーで2勝する華々しいデビューを飾った。朴の活躍は、当時不況にあえいでいた韓国社会を勇気付け、ゴルフブームに火を付けた。
そんな朴も05年に通算18オーバーで最下位になるスランプに陥った。しかし、「ゴルフ一色の生活に疲れた」と肩を落としていた朴は、多くのファンからの励ましも受け、全米女子プロゴルフ選手権で優勝、完全復活を遂げた。1日ショット800球、パット600球の超人的練習が精神力を鍛えた。同ツアーのシード権を持つ選手の25%(34人)を占める韓国選手の存在も大きい。彼女たちは小学生の頃、98年の全米オープンで朴が靴と靴下を脱いで池に入って打った「裸足のショット」を見てゴルフへの夢を育んだ。先日の全米女子プロ選手権3位の新人、閔ナオン(18)も「朴選手は私のアイドル。同世代の選手は、彼女を見てゴルフを始めた」と語るなど、韓国勢の頼れる「オンニ(お姉さん)」として慕われている。
朴の次なる目標は、年間最優秀選手賞と世界4大メジャー大会を制覇するグランドスラム。不屈の精神力で新たな夢をかなえてほしい。(U)