今月初め、米女子プロゴルフツアーで今季初優勝を飾った金美賢選手(30)が、米カンザス州グリーンズバーグ周辺で死者10人以上を出した竜巻の被災者に、優勝賞金21万㌦(約2520万円)のほぼ半分、10万㌦(約1200万円)を寄付することが分かり話題を呼んでいる。
金選手は本来、米バージニア州のミケロブ・ウルトラ・オープン(10~13日)での寄付を予定していた。バージニア工科大学での銃乱射事件を受けてのことだったのだろう。しかし、金選手はニュースで竜巻の被害を知り、優勝直後に10万㌦の寄付を明らかにした。心を痛め、何とかしたかったのだろう。彼女の気持ちは次のような言葉からも分かる。
「神様が優勝という大きな贈り物をくれた。被災者のために、神様が私を利用されたのだろう。困難な時こそ、お互い助け合うべきだ。私は韓国人だが、米国で過ごす時間が長く、微力でも米国の皆さんのお役に立ちたい」
金選手は1977年、釜山で器械体操選手の父とテニス選手の母の間に生まれた。子どもの頃は水泳選手を目指したが、小柄なため断念、父の勧めでゴルフを始めた。
大学を2年で中退後、豪州に渡って練習を重ね、1996年のプロテストに合格。小柄だが豪快なドライバーショットが魅力で、「ウッドの魔術師」と呼ばれたりした。
金選手は普段からもチャリティーに積極的で、昨年5月の米女子ツアー・ギンクラブズ&リゾーツオープンで優勝した際も賞金37万5000㌦(約4500万円)のうち約10万㌦(約1200万円)を恵まれない人々に寄付している。
ゴルフだけでなく、世界のスポーツ界で活躍する韓国人アスリートは今後ますます増えるであろう。今回の寄付が、他の選手や後進選手たちのよい刺激となることを願い、金選手に拍手を送りたい。(U)