釜山で先週末開かれた第39回韓日経済人会議は、2004年11月以来中断している韓日FTA(自由貿易協定)交渉の早期再開を決議した。昨年の札幌会議でも同様の決議をしており、両国の経済人はFTA推進に意欲的だが、政府レベルでももっと前向きに推進すべきだと考える。
世界はブロック化、地域主義化の流れが進み、韓日両国も90年代後半から研究機関を中心にFTA研究を開始した。その結果、FTAは韓日双方にとって有益であり、韓日パートナーシップの象徴たり得るとの結論に達した。そして、両国政府は、包括的なFTAを締結すべく早期に交渉を開始するべきであるとの提言を含む報告書を発表。2003年12月から交渉を開始した。
だが、1年足らずで交渉は中断。もう2年以上も頓挫したままだ。その間に韓米間でFTA交渉が始まり、見事妥結した。韓米とも思い切った譲歩の成果だった。さらに韓国は来月からEU(欧州連合)とも本格的に交渉を始める予定だ。しかし、韓国政府の対日FTAチームは解散したままであり、両国経済界の間には、このままでは取り残されると危機感を募らせる声もある。
今回の韓日経済人会議のFTA早期再開決議が一つの呼び水になって、膠着した現状を打開してほしい。
もともと、交渉中断の原因は日本側の農水産物開放が不十分だとする韓国側の反発が発端だった。だが、交渉事はお互いが譲歩をすべきものである。2年以上も中断したままというのは異常だ。隣国同士、信頼構築へ向けて仕切り直しすべきではないか。
2年前から東アジアサミットが始まり、新たな枠組みづくりへ向けて様々な動きが起こっている。当初、韓日は包括的で水準の高い韓日FTAを標榜、両国が東アジア共同体の中軸になろうとの意欲があった。その初心に立ち返るべきではないか。(S)