柳沢伯夫・厚生労働相が「女性は産む機械」と発言し、物議をかもしているが、それだけ日本の少子化が深刻だということだ。韓国も事情は同じで、出生率は日本の1・26を下回る世界最低の1・08と憂慮すべき事態に直面している。
日本経済研究センターが最近まとめた分析資料によると、両国の経済成長率は今後急速に低下し、2050年には韓国0・1%、日本に至っては0%になるという。この一番の原因は少子高齢化で、韓国の人口は現在の約4800万人から2050年に4500万人、2100年には2000万人に半減、日本も現在の1億2700万人から9200万人、4600万人に激減する見通しだ。
韓国で急激に少子化が進んだのは、女性の大学進学率が6割にのぼり、社会進出が活発化していることと、女性は子どもを産み育て、家を守るという旧来の儒教的価値観が崩壊しつつあるためだ。さらに通貨危機以後の経済低迷で、子どもを産む余裕がなくなってきたことも一因とみられる。日本も状況は驚くほど似ている。仕事を持つ独身女性が増え、結婚件数が減り、結婚していても経済的に余裕がなく、子どもを二人以上産めない家庭も多い。このように少子化という同じ悩みを抱える韓日両国が、互いに知恵を出し合い、解決に向け協力していけば、大きな成果が得られるのではないか。
韓国では、昨年から2010年までに出生率を1・6に引き上げる「セロマジ(新しく迎える)プラン(少子高齢化基本計画)」を実施している。総額19兆ウォンの予算を投入し、育児支援、教育費の軽減などに力を注いでいる。大企業には保育所の設置を義務づけ、女性が子どもを連れ安心して働ける職場環境づくりも始まった。こういった隣国の取り組みは日本にとって大いに参考になるに違いない。韓日が連携して、この少子化という難関を乗り切ってほしいと思う。(G)