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2008/10/10

<鳳仙花>◆韓日共同宣言から10年◆

 ちょうど10年前の1998年10月8日、韓日関係に新たな1ページを開く画期的な宣言が発表された。国賓として日本を訪問した金大中大統領(当時)と故・小渕恵三首相との間で交わされた「21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ」と題された韓日共同宣言がそれである。この宣言の意義と果たした役割は計り知れない。

 宣言には、小渕首相の「過去」に対する反省とおわびが盛り込まれ、政治、経済、軍事、学術、文化など多角的な協力と若者同士の交流促進、韓国の日本大衆文化開放などが盛り込まれた。これによって両国は未来志向の関係に大きく舵を切り、一気に交流が拡大した。

 2002年サッカーのW杯の成功も、この宣言に基づいて双方が協力した結果であり、相互理解を助けるために実施された「韓日交流年」「韓日友情年」など国民交流事業の成果がその後の日本における韓流ブーム、韓国における日流ブームにつながったといえよう。両国間の往来人口は98年の267万人から昨年は約500万人に倍近く増え、文字通り「近くて近い隣国」になりつつある。この原動力となったのが、韓日共同宣言であった。

 この宣言がめざした確固たる善隣友好協力関係を築くという目的は、経済や文化交流、観光客の相互訪問などの実績をみる限り、大きな成果をあげたと評価できるだろう。しかし、時々に噴出する歴史問題や教科書問題などによって、政治的に絶えずギクシャクした関係が続いているのは残念でならない。

 遺憾なのは、共同宣言に盛られた「首脳会談の年1回実施」「外相・閣僚間の交流緊密化」「女性議員の交流促進」などがきちんと実行されていないことだ。韓日両首脳に課せられた課題といえよう。国民同士の交流は飛躍的に拡大しているのである。いまこそ、10年前の共同宣言に立ち返るべきだろう。(G)