韓国の宇宙開発事業が着々と進んでいる。韓国初の宇宙センターが年内に完成、来年の人工衛星打ち上げへ向けてロケット製作作業が進められている。これまでは国内に打ち上げ基地がないため、外国の基地に依存していた。宇宙センター完成で今後、月探査、有人衛星発射も射程圏内に入り、宇宙への夢をふくらませてくれる。
宇宙センターは、韓国南端の多島海にある羅老島(ナロド・全羅南道高興郡)で7年前に着工した。510万8300平方㍍の敷地に研究棟など9つの建物からなる。現在、科学衛星を搭載するロケットの製作作業を進めており、発射台は山の中腹を削って建設中だ。
だが、世界的に最初の打ち上げで成功する確率は30%に過ぎない。それだけ打ち上げには高度の技術を要し、特にロケットの性能が大きく左右する。ロケットは自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力(推力)を得る装置だが、今回下段ロケットは科学大国ロシアで製作した。ロシアはこれまで世界最多の1500回以上ロケットを打ち上げ、成功率は95%を超える世界1の水準とされ、同国との協力は大きな意味がある。
韓国の宇宙への挑戦は、1970年代から始まったが、昨年には基本計画を樹立、向こう10年間に3兆6000億ウォンを投じて、独自の人工衛星とロケット開発、惑星探査研究などを決めた。70㌢㍍大の大きさを宇宙から識別できる高解像度光学カメラと熱感知赤外線カメラを搭載した多目的衛星「アリラン3号」の開発も進めている。
今春、女性宇宙飛行士イ・ソヨンさん(29)がロシアの宇宙船ソユーズ号に搭乗、韓国人として初めて宇宙を旅したが、今後自国の宇宙船で宇宙遊泳するのも夢ではなくなった。宇宙センター完成と独自打ち上げを成功させ、韓国の宇宙開発事業に弾みをつけてほしい。青少年に夢を与える生きた教育になるだろう。(S)