ノーベル賞はダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて1901年に始まった6部門の賞で、世界最高の栄誉とされている。今回、日本がノーベル物理学賞で3人、化学賞で1人と4人の受賞者を出し、科学分野で歴代13人もの受賞者を出したことは、科学部門でまだ受賞者のいない韓国に大きな刺激を与えており、いま韓国国内では、いつ同分野の韓国人受賞者が出るのか、そのために何をなすべきかで論議を呼んでいる。
韓国は日本の植民地支配に続く韓国戦争で荒廃が続き、基礎科学研究が本格的に始まったのは70年代以降だ。しかし、最近は世界的に注目される学者が相次いでいる。
米国科学情報研究所の論文引用回数をソウル大学校が2003年に調査した資料によると、これまでの物理・化学分野のノーベル賞受賞者46人の平均論文被引用回数は物理5508回、化学4871回。この数字に当てはまる韓国人科学者をみると、任志淳・ソウル大物理学科教授が5000回以上、ナノ物質設計と合成の権威者である劉龍KAIST(韓国科学技術院)教授は8000回近くにおよぶ。ほかにもPET(陽電子放射断層撮影装置)開発者である趙長熙・佳泉医科大学校脳科学研究所長など、国内外に10人前後の有力韓国人科学者がいる。いずれもノーベル賞候補といわれ、いつ受賞者が出てもおかしくない。
世界で最初に金属活字を発明したのはドイツのグーテンベルクとされているが、実はそれより200年近く前に、韓半島で金属活字が作られたといわれている。世界最初の測雨計、世界初の天文台というべき瞻星台も韓国で発明された。歴史をさかのぼれば、韓国は科学技術に秀でた民族だった。ノーベル賞を受賞する潜在能力は十分ある。
国土は狭く資源もない韓国である。頭脳集約立国をめざし、政府も基礎科学部門へのさらなる支援を行ってほしい。(L)