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2008/10/03

<鳳仙花>◆韓国の「緑色革命」◆

 李明博大統領は今年の光復節祝辞で、「低炭素・緑色成長」を新しい政策目標に掲げた。CO2(二酸化炭素)の排出を抑える環境に優しい産業を今後の成長エンジンにしようという発想である。
 
 この「緑色革命」宣言を受けて、親環境・クリーンエネルギー課題が発表されたが、その中で太陽光エネルギーを電気に変換する太陽電池は、エネルギー革命をもたらす有望事業の一つだ。太陽電池を作るためには核心材料のポリシリコンが不可欠だが、これを製造する東洋製鉄化学が世界から注目されている。事業進出わずか2年で受注額はすでに100億㌦を超え、年産能力は来年世界2位の1万6500万㌧に増強される。先を見越した果敢な投資決定の成果である。これにとどまらず、様々な緑色産業・技術が未来に広がっている。これに積極的に参入、韓国企業が先頭に立って市場を形成し、「環境立国」のモデルをつくってほしい。国づくりのモデルは様々である。

 小国だが世界最大の時計生産国スイス。時計は300以上の部品からなるが、100分の1㍉の精密さと根気強さで、世界を制したスイス時計は高級品の代名詞となった。酪農王国デンマークが生産するチーズなどの乳製品やポーク製品は高品質で高値で売れる。痩せ地の国土を酪農で生かし、ノウハウを教える学校を設立、農業協同組合の充実を図るなど必死の取り組みが結実した。国土に恵まれなかったオランダは国土の4分の1を干拓で拡張、干拓地に巨大なチューリップ畑をつくり、輸出産業化に成功。「世界は神がつくったが、オランダはオランダ人がつくった」といわしめた。

 いずれも立地環境は必ずしも恵まれていなかったが、努力と工夫で乗り越え世界に冠たる先進的な国づくりに成功した。緑色革命は産業次元にとどまらず、「環境立国」という国づくりのレベルで進めるべきではないか。韓国は国土の70%が山地であり、山地の緑化もさらに進めるべきだろう。国民運動として展開できるよう理念やビジョンも必要だと思う。(S)