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2008/07/25

<鳳仙花>◆若き「科学英才」が活躍する韓国◆

 世界の若き「科学英才」が実力を競い合う国際オリンピアード大会で韓国が優秀な成績をあげている。

 インドのムンバイで13日から20日まで開かれた第19回国際生物オリンピアード大会で、高校生のチェ・テヨン君が個人総合優勝を果たし、チェ君ら4人からなる韓国チームも3位の好成績だった。また、ハンガリーのブダペストで開かれた国際化学オリンピアード大会、スペインのマドリードで開かれた国際数学オリンピアード大会でも韓国は共に総合4位につける健闘ぶりをみせた。

 今年の国際オリンピアード大会は、今後12月16日まで物理、地球科学、情報などの分野で継続される。韓国は今回8部門に40人の英才を送り込んでいるが、実は韓国はこの大会では上位争いの常連であり、「科学英才」のすそ野は意外に広い。ソウルには専門の科学高校があり、優勝したチェ君も同校生だ。そういえば、韓流ドラマ「雪の女王」の主人公も国際数学オリンピアード優勝者という設定だった。

 韓国ではいま、将来の成長エンジンをめぐる政策論議が活発で、政府も宇宙産業、光産業、ロボット、次世代半導体など10大未来産業を設定している。いずれも知識・頭脳集約型産業だが、これを実現するには優れた研究人材が欠かせない。その意味で、国際オリンピアードでの好成績は鼓舞的であり、韓国の潜在力を再認識させている。だが、数年前に国際数学オリンピアード大会で金メダルを獲得したイ・スンヒョプ君がその後ソウル大学に入学したが、実験施設や授業内容などに失望し、渡米するなど頭脳流出を懸念する声は少なくない。

 韓国は国土が狭く資源に乏しい。かつては長時間労働が「漢江の奇跡」の原動力となったが、これからは科学英才たちも結集して頭脳国家をめざすべきだと考える。それなのに国内が空洞化しては未来に期待はもてない。事実、自然科学でノーベル賞をまだ1人も受賞していない現実を恥じるべきではないか。科学者、研究者に相応しいインフラを早急に構築してほしい。(S)