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2008/07/18

<鳳仙花>◆日本代表になった李忠成選手◆

 北京五輪男子サッカー日本代表の最終メンバーが14日に発表され、在日4世の李忠成選手(り・ただなり、韓国読みイ・チュンソン、22、FW、柏レイソル)が選出された。

 五輪に日本代表として出場した韓国人選手は、過去にマラソンの孫基禎選手(36年のベルリン五輪で金)、女子バレーボールの白井貴子選手(76年のモントリオール五輪で金)などがいるが、韓国名で日本代表になったのは、戦後では李選手が初めてだろう。

 李選手は、18歳のときに世界ユースを目指す韓国代表合宿に参加したが、「同じ韓国人としてではなく、“在日”としてしか見られず、「自分たちは日本人でもなく、韓国人でもなく、在日人だ」と強く意識したことが、日本代表を目指す大きなきっかけになったという。韓国を嫌いになったわけではないが、生まれ育った文化的背景が違っていたと、後日語っている。

 また本名で帰化したのは、「自分が在日であることを忘れず、そして同じ在日の人たちに一つの生き方を示したかった」からだという。その心意気を高く評価したい。

 日本国籍取得後、注目度が高くなり、最近では彼の生い立ちが漫画化されたり、ノンフィクションとして出版されるまでになった。一方で、本名を名乗る在日が日本代表になったことで、民族的中傷がネットなどで書かれたりもした。

 李選手は「国籍は関係なく、ただのサッカー小僧として、自分のため、ファンのためにプレーしたい」と話すとともに、「在日で韓国や北代表になった選手もいる。また自分のように日本代表を目指す選択肢もあることを、在日の少年たちに知ってほしかった」と述べている。

 日本にメダルをもたらす力強いシュートを決めれば、差別的言動も減っていくことだろう。北京五輪での活躍を期待したい。そして日本と在日のサッカー少年に、大きな勇気を与えてほしい。(L)