死者10万人ともいわれるM(マグニチュード)8・0の中国・四川大地震からわずか1カ月で岩手・宮城内陸地震(M7・2)が発生、地震の恐ろしさをまざまざと見せつけられた。
東アジアは「地震の巣」といわれ、古くは関東大震災(1923年、M7・9、死者14万人)、近年では中国・唐山地震(76年、M7・8、死者24万人)、阪神・淡路大震災(95年、M7・3、死者6434人)、台湾中部地震(99年、M7・6、死者4800人)など、枚挙に暇がない。地震による人命や財産被害は甚大で、国家経済に与える損失も計り知れない。地震対策は東アジアの緊急課題といえよう。
幸運にも韓国には目立った地震がなく、これまでの被害は皆無といってよい。しかし、先月31日に済州島沖でM4・2の地震が発生し、地域住民は肝を冷やした。昨年1月にも江原道平昌郡でM4・8の地震が起きており、「地震安全神話」に陰りもみられる。韓国気象庁によると、過去10年の間に、韓国では約400回の地震を観測しており、年々増える傾向にあるという。韓半島でもM6以上の地震が発生する恐れがあると警告する学者もあり、地震対策が必要になってきている。
奇しくも岩手・宮城内陸地震が発生した14日、東京で韓日中外相会談が開かれた。この席で3カ国外相は、防災分野での協力が不可欠だとの認識で一致、具体的な取り組みを進めることで合意した。3カ国は経済パートナーとして互いになくてはならない存在であり、3カ国で災害が発生すれば、経済に大きな影響が出る。四川大地震の時に、現地の日本企業の稼働が一時中断したのがよい例だ。山東省だけでも8000社を超す韓国企業が進出しており、何かあれば、韓国経済はもとより日中にも被害がおよぶ。災害救助だけでなく、経済のマヒを防ぐ韓日中の防災協力システムの構築も必要であろう。(G)