先ごろ来日した李明博大統領は、あるテレビ局が企画した日本市民との対話で、「若者は未来を創ることができる。韓日間の若者交流を促進し、両国を近くて近い国にしたい」と力説した。まさにその通りであり、次世代を担う若者たちの交流こそが、韓日関係を変えていく原動力になると思う。
李大統領は、福田首相との首脳会談で、若者の交流促進に向け、ワーキングホリデー(観光就業査証)制度を拡大し、利用者を1万人に増やしていくことに合意した。この制度は、相手国に1年間滞在し、働きながら語学や文化を習得できるもので、経済的に恵まれていなくても、外国で暮らし異文化体験ができるメリットがある。対象は18歳から30歳までで、広い国際的視野を持った青年の育成と国際交流の促進を目的に二国間の協定によって実施されている。
韓国と日本のワーキングホリデーは、99年にスタートし、初年度は日本人の利用者がわずか48人だったが、韓流ブームもあって、昨年は390人に増えた。しかし、残念ながら協定で定められたビザ発給限度枠の3600人の1割強にすぎず、最も人気の高い豪州の1万1217人と比べると、韓国行きの希望者は低迷している。これに対して韓国から日本へは、限度枠すべてを使い切っており、相互交流とはかけ離れている。
日本側の不調は、この制度を知らない若者が多いことや、韓国へ行ってもなかなかアルバイトが見つからないことが原因といわれている。せっかく、このような制度があるのを利用しないのはもったいない。韓日政府には、ビザ発給の拡大とともに、仕事先の紹介など、サポート体制の強化も望みたい。また、両国の企業が受け入れれば、将来、韓日経済を担う人材に育つかもしれない。若者たちにとっても、相手国での1年間の生活体験は、人生の大きな宝になるだろう。日本の若者たちよ、もっとワーキングホリデーを利用しよう。(G)