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2008/04/18

<鳳仙花>◆民族教育と阪神教育闘争◆

 今年は、日本政府の朝鮮人学校閉鎖令に反対して闘い、民族教育を守り抜いた1948年4月の「阪神教育闘争」から60周年にあたる。

 植民地解放から3年を経て、奪われた民族教育を取り戻そうと日本各地に民族学校が出来た。そこで学ぶ在日の子供たちは約6万人に及んだという。

 しかし冷戦が深まる中、朝鮮人学校が北朝鮮支持で左傾化しているとみたGHQは、日本政府に閉鎖を指示、それに抗議する在日コリアンと日本人有志が激しく戦い、多くの逮捕者や犠牲者まで出した。その結果、神戸市でついに閉鎖令の撤回を勝ち取った。

 これが阪神教育闘争であり、民族教育を守った象徴的な事件として、今に語り継がれている。

 だが、その後の南北分断の下、過度な思想教育がたたり、朝鮮学校の入学生は年々減少、一部地域では存続の危機にある。

 今年新設されたコリア国際学園(大阪)のように、南北対立の影響を受けた民族学校の枠組みを超え、世界で活躍する人材を育てるエリート教育の民族学校も現れ始めた。

 その一方では、日本政府の朝鮮人学校に対する保障制度が、60年経ったいまも依然として遅れているという現状がある。

 先月末、日本弁護士連合会(日弁連)が、「朝鮮学校・中華学校などで、校舎建設の寄付金などに対する税制上の優遇措置と、日本の大学などへの受験資格を認めるべきだ」との勧告を日本政府に出したが、これらはもっと早く是正されてしかるべきだったとの声も多い。

 私たちの父母の世代が命がけで守ってきた民族教育と民族学校。多文化共生、グローバル化が叫ばれる時代に、そのあり方が問われている。60年という節目の年に向けて、在日社会の幅広い論議が必要なようだ。(L)