「地球は青かった」。この名言を残したソ連の宇宙飛行士ガガーリン少佐が、人類初の宇宙飛行に成功した1961年から約半世紀。この間、36カ国から475人の飛行士が宇宙に飛び立った。今回、イ・ソヨンさんが韓国人初の宇宙飛行士としてロシアの衛星ソユーズに乗り込み、韓国もようやくその仲間入りを果たした。女性としては49人目で、アジアでは向井千秋さんに次いで二人目となる。彼女が宇宙からどんなメッセージを伝え、どんな成果を地球に持ち帰るのか楽しみだ。
あまり知られていないが、韓国の宇宙開発の歴史は意外と古く、朴正熙大統領時代の70年にロケット開発がスタートし、77年に国産ロケットが完成している。その後、95年に初の通信衛星「ムグンファ1号」を打ち上げたのを皮切りに、多目的衛星「アリラン」などを相次いで発射し実力をつけた。今年6月には全羅南道高興に羅老宇宙センターが完成し、年末に自前で衛星を打ち上げる世界9番目の国になる。2015年までに科学衛星、静止衛星など20基を発射する計画を進めている。今回の宇宙飛行士誕生で、韓国は文字通りの「宇宙大国」となった。
アジアでは、2003年に有人飛行船の打ち上げに成功した中国が一歩リードし、今後、韓国、日本が追随して宇宙開発に拍車をかけることになりそうだ。3国が国威をかけて競争を展開するのはいいが、対局的視野に立って協力していくことも必要だろう。
韓日は、2002年の科学技術協力委員会で、宇宙技術、地球科学の分野で協力を促進していくことに合意した。しかし、情報交換や視察レベルの交流にとどまり、残念ながら進展はみられない。両国の関係を強化するためにも、もう少し踏み込んだ協力をしてはどうか。例えば、日本が今年打ち上げる温室効果ガス観測技術衛星への韓国の参画や、日本の宇宙実験棟「きぼう」の共同利用など、できることはたくさんあると思う。(N)