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2008/03/14

<鳳仙花>◆対日赤字解決への根本対策◆

 「逆調是正」――。韓国の大幅な入超となっている対日貿易赤字問題を解決することは、長年の懸案だった。「逆調是正」という表現を生んだのも、対日赤字の解消は、国民意思の表れだったからだ。韓日国交正常化から43年、毎年のように対日赤字が累積、その額は2000億㌦を超え、経済界は、「対日赤字は産業構造上の問題」と、諦め気味だった。この難題に対して、新政権は根本的な対策樹立へと動き出した。

 その動きは李明博大統領の青瓦台(大統領府)での発言が発端となった。「年間300億㌦に達する対日貿易赤字を克服するため根本的な対策が必要だ」と指示。異例の発言を受け、政府は急きょ、今年度経済運用計画で、部品・素材の対日輸入依存を減らすことを打ち出した。

 昨年の対日赤字は298億4400万㌦で、過去最大となった。今年に入っては、対日輸出が一時マイナスに転落、赤字額はさらに拡大する勢いだ。経常収支が今年は赤字転落するのが避けられないだけに、対日赤字はますます重圧となってくる。李大統領は問題の深刻性を敏感に感じ取ったのかもしれない。

 対策としては、輸入を減らし輸出を増やすことで解決しなければならない。根本的には、対日依存の高い機械などの生産財と部品や素材などの中間財の国産化比率を高めなければならないが、これに関しては苦い教訓がある。

 20年近く前、政府は機械・部品・素材国産化5カ年計画を推進した。その結果、国産化された技術も少なくなかったが、そのほとんどが死蔵され、製品化されるには至らなかった。てっとり早く日本から輸入した方が面倒でないという意識が働いたためだ。ここには科学・技術者を厚遇しない社会的な問題もあり、多くの韓国の技術者たちが不満も漏らしている。根本的・抜本的対策をめざしてほしい。そのためには、拙速に走らず幅広く英知を集めることが肝心だと思う。(S)