中国製冷凍餃子による薬物中毒事件をきっかけに、「本当に危ないのは40%を切った日本の低い食糧自給率だ」と警鐘を鳴らす声が出ている。米国やフランスは100%自給しており、英独など主要先進国は70%以上だ。これに比べ、日本の食糧自給率が異常に低いのが分かるが、韓国も人ごとではない。20年前は80%近かったのが、年々下がり、いまでは60%を切っているのである。
食糧自給率が低いということは、すなわち輸入に大きく依存していることを意味し、世界の穀物市況が変化すれば、その影響はてきめんだ。実際、昨年から小麦や大豆などの穀物の国際価格が急騰し、日本でも韓国でも関連製品の値上げが相次いでいる。例えば、韓国で最近、インスタントラーメンの買い占め騒動があった。麺市場で20%のシェアを占める辛ラーメンが20日から1個750ウオンへ100ウオン(15・4%)値上げすると発表するや、値上がり前に買おうと人々がスーパーに殺到したのである。日本でのオイルショック当時のトイレットペーパー騒動が思い起こされる。
麺の原料は小麦。韓国の小麦の自給率はわずか0・2%にすぎない。国際価格の上昇は消費者を直撃するという卑近な例だ。これは様々な食品に波及している。
韓国と日本に共通しているのは、コメだけはほぼ自給しているが、その他はお寒い限りだ。急速な工業化の過程で、農業問題は置き去りにされた感がある。だが近年、日本では都会人が農業体験をしたり、有機野菜を使う動きが強まっている。韓国でも「ウェルビーング(体にいい)」が流行語になるほど健康志向が強く、健康食品への関心の高まりから農業に目を向ける人が増えている。
この間、韓日はFTA(自由貿易協定)交渉で農産物輸入をめぐる対立を際立たせたが、むしろ農業問題で協力を強めるべき時だと思う。韓日間の農業交流をもっと広げ、お互いの経験、ノウハウを共有し、共同で農業ルネッサンスを起こすべく取り組んでほしい。(S)