韓国南海岸の風光明媚な港町、麗水で2012年5月12日から開かれる麗水世界博覧会開催まで3年を切った。07年11月の誘致成功から1年8カ月。準備状況はどうなのだろうか。最近、麗水から海岸道路に風力・太陽光を利用した街灯を設置し、花と木を植えてCO2を吸収する「花のエコ都市」計画が進められているというニュースが届いた。低炭素化社会をめざす時代の要請にも応えたものだが、麗水世界博は様々な効果が期待される。
麗水世界博のメーンテーマは「生きている海、息づく海岸」。全羅南道麗水市新港一帯(141万平方㍍)で繰り広げられる海洋博覧会だ。世界80カ国からの参加が見込まれているが、真っ先に参加を表明したのが日本だった。経済界を中心に麗水国際博覧会有識者懇談会を設置するとともに、今年3月には経済産業省内に麗水国際博覧会情報センターが発足した。
旗振り役の二階俊博・経済産業相は「麗水博開催を通じて、アジアから世界に向けて希望に満ちたメッセージを発信することが重要」と位置づけ、東京で先週開かれた初の韓日中小企業サミットでも、麗水世界博成功へ向けて観覧チケットを購入しようと呼びかける熱の入れようだった。韓日協力の一つのモデルにもなりうる。
韓国は3方を海に囲まれた海洋国家であり、1200年ほど前に莞島(ワンド、全羅南道)の清海鎮(チョンヘジン)を拠点に海賊を退け、東北アジアの海上貿易を主導した張保皐(チャン・ボゴ)将軍の話など歴史的逸話も多い。麗水世界博は「海洋韓国」の新たな歴史を築く格好の機会でもある。
世界博覧会は、オリンピック、サッカーのワールドカップと並ぶ世界3大イベントのひとつであり、人類が成し遂げた業績と未来に対するビジョンを提示するものだ。2010年には上海万博があるが、愛知・上海・麗水と続く日中韓3カ国のエキスポ成功の連鎖を信じたい。そのため、麗水世界博関係者には、準備状況をはじめもっと情報発信し、世界に向け積極的にアピールすべきだと思う。(S)