韓国ドラマの「韓流」、日本ドラマの「日流」、そして中国・台湾ドラマの「華流」。東アジア3カ国のテレビドラマが、国境を越えて相互に視聴できるようになり、市民の意識にも影響を及ぼしているようだ。先日、「テレビがつなぐ東アジアの市民~交流から対話に向けて~」というテレビ番組で、韓日中3カ国の各1000人にアンケート調査を実施した結果が放送された。その中の「テレビドラマが相互理解に役立つか」との質問に、韓国77・1%、日本51・4%、中国59・6%が役立つと回答した。いずれも過半数を超えており隔世の感がある。
過去、テレビドラマは米国物が圧倒的で、米国へのあこがれを駆り立ててきた。東アジアのテレビドラマは、同じアジア文化圏であること、韓中台の経済成長が進み、ライフスタイルが似通ってきたこともあって米国ドラマにとって代わっている。ある韓流スターのファンイベントに3カ国のファンが集まり、共通の話題で仲良くなっていった事例も報告されている。この3カ国のテレビ交流は、もっともっと広がる余地がありそうだ。
韓国では、日本のドラマが地上波でまだ放送が認められていない。日本では中華圏のドラマが時代劇を除き放送される機会が少ない。また中華圏ではインターネットによる視聴が中心で、地上波は少ない。
このような障害を取り除く一助にと、いま韓日で共同ドラマづくりが進められている。日本の脚本家7人が執筆し、韓国の演出家がドラマ化するもので、今秋以降、両国で順次放送される。当初は意思疎通が不十分だったが、共同作業を行う中で相手の文化に対する理解を深めたという。
今後は3カ国が協力したドラマ以外に例えば、週1回の東アジア各国のドラマ放送日の設定、翻訳者の養成、そして共通マーケットの開拓なども望まれる。テレビドラマを通じた相互理解が深まれば、歴史認識問題の克服などにも役立つはずだ。活性化を期待したい。(L)