東京・新宿の大久保にコリアタウンが形成され、週末などは日本人だけでなく台湾からの観光客なども訪れるなど、観光地化している。新宿区には現在、約1万4000人の韓国人が住み、新宿には約300の韓国人経営の店がある。最近は飲食店だけでなく、韓国雑貨や韓流スターのグッズ店なども増えた。
その新宿コリアタウンを、名実ともに韓流の一大拠点にしようと、韓国系住民、新宿区、大使館関係者などによる「新宿韓人発展委員会」が発足した。今後、文化交流や飲食イベントなどを行って地域経済が活性化し、韓流文化が広まることを目指すとともに、商店街の美化も積極的に進める計画だという。
素晴らしい街づくりを実現してほしいが、そこで手本になるのはやはり横浜中華街だろう。150年前の横浜開港とともに誕生した小さな華僑の街は、いまや約500㍍四方に約600店舗(飲食店は約250)が立ち並び、年間約2000万人が訪れる一大観光地に変貌した。
世界を代表する食文化の一つ中国料理の魅力が大きな要因だが、それだけでなく中国の歴史や文化を感じられる施設やイベントが多くあり、中華街を訪ねることで異文化体験を出来ることが大きな魅力になっている。
それと比較すると、新宿コリアタウンの歴史はまだ20年に満たず、規模も小さく、異国情緒を味わうには物足りない。イベントもW杯韓日共催大会やプロ野球WBCのテレビ共同観戦があったぐらいだ。
しかし、同地には規模は小さいながら高麗博物館や、多文化交流の施設もある。行政の協力のもと、食文化にとどまらず、韓国の文化や歴史についても発信できる、大胆なビジョンと魅力を持った街づくりを進めてほしい。そのために、外部からも人材とアイデアを募り、多民族共生と韓日友好にも貢献できるコリアタウンにしてもらいたい。(L)