4年に一度のアジアのスポーツの祭典、第16回広州アジア大会で韓国は金メダル76個を獲得、4大会連続の総合2位となった。今大会もまた1位中国、2位韓国、3位日本となり、他を圧倒する強さを見せつけた。4年後の大会は韓国の仁川で開催されるが、今大会から学び取るものは何だろうか。
アジア大会は、スポーツを通じたアジアの人々の交流と協力の重要な場である。それゆえ、勝敗だけに一喜一憂することはない。例えば、今大会では韓国の美人選手が話題を呼んだビリヤードや囲碁などの「頭の体操」、長さ12㍍のボートにこぎ手20人と太鼓手らが乗り込むドラゴンボートなどアジア大会ならではの競技も導入され、関心を引いた。
選手たちも競技に全力を注いだ。女子競泳では、韓国に12年ぶりに金メダルをもたらした「人魚姫」鄭ダレ選手が予想外の優勝に思わず号泣した。その姿にもらい泣きする人もいた。真剣な勝負はいつも感動を呼び起こすものである。
とはいえ、やはりメダル争いを抜きにできない。今大会の金メダルは477個。そのうち韓日中3カ国が3分の2以上の323個を獲得。金銀銅のメダル総数でも1577個中、半分以上の864個がこの3カ国で占められ、メダルの寡占状態が続いている。開催地も86年のソウル大会以降、次回の仁川大会までの8大会中、前回のドーハと98年のバンコク大会を除き、この3カ国持ち回りといった形になっている。
今大会には46カ国・地域が参加したが、アジアには多様な民族、多くの国家が存在する。五輪同様にアジア大会も肥大化しており、中小国が大会開催に名乗りを上げるのは容易でないが、アジアでスポーツの裾野を広げる課題は、韓日中3カ国が先頭に立って取り組むべきだろう。仁川大会に向けて、ぜひ知恵を出して対策を講じてほしい。(S)