「かつてアジアの黄金時代に/輝く灯の一つであったコリア/その灯が再び明かりを照らす日には/あなたは東方の明るい光になるであろう」
アジア人として初めてノーベル文学賞を受賞したインドの詩聖、タゴールが1929年、朝鮮の人々に送った詩「東方の灯」の一節だ。当時、日本の植民地支配下にあったアジアの小さな属国にすぎない韓国の未来をこのように予見したタゴールの先見性は驚嘆に値する。
先月、インドのシン大統領は、李明博大統領との首脳会談で、この「東方の灯」に触れ、「今日韓国が成し遂げた経済的成就と国民の力量に敬意を表します。韓国の光は、21世紀の東アジアの時代に一層輝くでしょう」と述べた。「東方の灯」を献詩した時、国権を失った貧困国だったコリアが、世界10位圏の成長を遂げたことへの率直な賛辞であろう。
タゴールは、祖国の運命や人類の行く末に思いを馳せ、時代の痛みを一手に引き受けることを厭わなかった。そんなタゴールが韓国に託したことは、何だったのだろうか。
李大統領はインド紙とのインタビューで、「タゴールが韓国を『東方の灯』と詠い、大きな力になってくれた」と感謝の言葉を述べたが、今度は韓国が多くの途上国の力になる時ではないか。いま、世界は富める国と貧しい国との格差が広がり、南北問題が深刻化している現実がある。
貧しさを体験した韓国である。11月ソウルで開かれるG20(主要20カ国・地域)首脳会議という格好の場も与えられている。議長国としてリーダーシップを発揮し、この問題に光を照らしてほしい。
タゴールの一編の詩が明日への希望を抱かせたように、貧しい国、人々に勇気を与えることになるだろう。(S)