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2010/03/05

<鳳仙花>◆さらなる高みめざす韓日の競争◆

 最近、「韓国に学ぼう」という趣旨の記事や報道に触れる機会が多い。その多くはサムスン電子や現代自動車といった韓国企業の躍進にスポットが当てられている。折しもバンクーバー冬季五輪で大躍進した韓国スポーツに謙虚に学ぼうという論調もみられた。日本で過去に韓流ブーム以外で、これほどまで韓国に注目したことはなかったのではないか。

 最近3カ月間の日本経済新聞には、サムスン電子関連の記事だけで、90件以上も掲載されていた。日経ビジネス誌は16㌻にわたる韓国企業特集を組み、海外自動車ショーで現代車を舐め回すように写真に収めていた日系メーカー社員の姿も紹介。かつて後追いと揶揄された韓国企業の競争力に注目している点が今までとは異なり興味深い。「成長分野に集中」「世界市場を常に意識」などと指摘。トップによる即断即決が海外受注や市場拡大の強みになっていると分析した。

 こうした韓国に対する熱い視線の背景には、躍進する韓国のイメージに比べ、日本企業は元気がなくなっており、先行きが不安だとの危機意識がありそうだ。しかし、韓国経済は素材や部品の対日依存が極めて高い産業構造というアキレス腱をかかえており、課題が多いのも事実だ。こうした韓日経済関係をどう見るべきなのだろうか。

 バンクーバー五輪のフィギュアスケートの例がある。史上空前の高得点で金メダルを獲得した金妍兒選手には、浅田真央選手という素晴らしいライバルが存在した。世界の人々を感動させた2人の別次元の戦いは、ライバルの存在が互いを高めることをいかんなく立証した。

 経済にも競争はつきものであり、厳しい競争の中から良質な製品も生まれる。韓日はいま、競争はするが、相補い共に発展する関係にあるといっていいだろう。切磋琢磨して、さらなる高みをめざしてほしい。そうすれば、世界経済をリードすることにもつながるのではないか。(K)