韓日間でも最も太いパイプは経済だろう。貿易、投資などさまざまなビジネスで行きかう人も数多い。そんな中で、毎年欠かさず開催されている韓日・日韓経済人会議がある。その歴史をひもとけば、両国の立ち位置も相当に変わってきたなと感じる。
この経済人会議の前身は韓日合同経済懇談会で、66年から3回開催された。69年からは韓日・日韓民間合同経済委員会に改称、98年から現在の名称で開催。先週末に岡山で今年度の会議を開いた。韓日間ではこの45年間に歴史認識などをめぐり度々政治的緊張が高まり、大使召還という事態も起こった。だが、この経済人会議だけは一度として中断したことはなかった。「継続は力なり」というが、継続できたのは信頼関係がベースになっていたからだろう。
そんな歴史を重ねてきた経済人会議が新たな時代を迎えようとしている。いつも率直な語り口の飯島英胤・日韓経済協会会長は今回の岡山会議を終えて、「これまで参加した中で、もっとも充実していた。テーマと内容自体が大きな転換期を迎えるような会議だった」と語った。このような評価は飯島会長だけではない。駐日韓国企業連合会会長を務めたこともある金正・ハンファギャラリア顧問は、「いまでは世界市場で両国がどう協力し合うかがテーマだ」と話した。
実際、世界経済で両国の存在感は高まっている。今年11月にはソウルでG20(主要20カ国・地域)首脳会議、横浜でAPEC(アジア太平洋経済協力体)首脳会議が相次いで開かれる。趙錫来(チョ・ソンネ)・韓日経済協会会長は、「これはアジアの成長を世界が認めたことであり、是非とも成功させたい。そのため韓日の協力が必要であり、経済界も提案していきたい」と語った。
アジアが世界経済を牽引する成長センターとして浮上している中で、韓日の役割と責任が大きくなっており、両国は補い合ってアジアの時代を先導していくべき立場にある。今回の経済人会議をステップに新たな役割を共有し、韓日協力体制を堅固にする活動を強化してほしい。(S)