韓国初となるF1(フォーミュラ・ワン)グランプリ(世界選手権)が、西南海岸の霊岩(ヨンアム、全羅南道)に新設されたコリアインターナショナルサーキットで22日から3日間開催される。世界のスポーツの中で、サッカーのワールドカップ、オリンピックに次いでテレビ観戦者が多く、約200カ国で6億人にのぼるとされる。経済効果も大きく、韓国をアピールする機会がまた1つ増えたことになる。
F1はいうまでもなく、モータースポーツの最高峰。1950年に英国のシルバーストーンで初開催され、60年の歴史がある。毎年20戦近くが世界中を転戦する形で行われ、今回のコリアグランプリは17戦目。霊岩サーキットのコースは、トラック面積が8万3150平方㍍、1周5・615㌔でコーナー数が18あり、1・2㌔の直線距離では320㌔のスピードを出せる。12チーム・24人のドライバーが超高速で走る極限の世界でしのぎを削ることになるが、シューマッハ選手ら全員が初めて走るコースであり、大きな事故がなくハイレベルのレースになることを期待したい。
F1には世界中の自動車レースのピラミッドを上り詰めた本当に一握りのドライバーだけが出場資格を得られるが、せっかく韓国で開催されるのに韓国人のF1ドライバーがいないのは残念だ。
マシンの超技術からレースの裏側までをレポートした『F1の秘密』(林渓清著、PHP文庫)は「F1に乗るようなドライバーの社会的なステイタスがヨーロッパのように高ければ、多くの少年少女の憧れの存在となるはずだ。そうすれば、モータースポーツは文化として大きな底辺をもつことができる」と日本の現状を述べていたが、韓国もこれを機会にゴルフのように底辺を拡大できるだろう。
また、F1チームを維持するには莫大な資金が必要だが、最先端技術が集約されているだけに韓国の自動車メーカーもぜひ参入してほしい。韓国でのF1開催を契機にモータースポーツの世界でも旋風を起こしてほしい。(S)