日本プロゴルフツアーで韓国選手が、年間賞王と賞金女王に輝いた。史上初の快挙であり、異国で一年間戦い抜いた両選手に拍手を送りたい。
男子ツアー賞金王の金庚泰(24)は、今年が日本ツアー3年目。その強さから韓国では「鬼」というあだ名がついたほどの選手である。
ツアー最終戦、石川遼、池田勇太と激闘の末に5位入賞して賞金王を確定させたが、プレッシャーは相当なものだったろう。
大会終了直後、日本人選手から胴上げされ、観戦していた両親は多くの日本人プレーヤーから握手を求められた。とても感動的な光景であり、「スポーツに国境無し」を実感させるものだった。
一方の女子ツアーは、今年から参戦した安宣柱(23)が賞金女王になった。アニメを見て日本語を学ぶなど日本に積極的に溶け込む努力も惜しまなかった。しかし、シーズン後半はプレッシャーで食事ものどを通らないほどだったが、それを跳ね返して好成績を残した。その精神力には脱帽である。
韓国は朴セリ(32)が98年に史上最年少となる20歳9カ月で米メジャー大会で優勝したことで、一躍ゴルフブームが訪れた。
現在は国を挙げて有望選手を発掘・育成し、世界に送り出している。
中でも朴セリ・キッズと呼ばれる後輩たちは、米女子ツアーを席巻し、昨年の新人王と賞金女王に申智愛(22)、今年の賞金女王に崔羅蓮(23)が輝いている。
みんなまだ20代前半なのでこれからゴルフの成熟期を迎える。さらに韓国には他にも逸材が控えているというから、まさに21世紀のゴルフ大国といっていいだろう。
韓国選手の活躍は、「私たちがその勢いを止めないといけない」と来季に賭ける日本人選手たちを奮起させている。激しいぶつかり合いを来年も楽しみにしたいものだ。(L)