米LPGA(女子プロゴルフ)ツアーで韓国人選手(在米韓国人を含む)100勝が達成された。100勝目は崔羅蓮(24)がマレーシアで行われた大会で決めた。88年の具玉姫(55)の初勝利から23年目の偉業達成だ。
米LPGAは1950年に始まり、今年で62年目を迎える。100勝以上を達成した国は、米国1451勝、スウェーデン109勝に次いで3番目だ。日本は35勝である。
スウェーデンはアニカソレンスタム(44)一人で72勝を記録したが、韓国の場合、朴セリ(34)が25勝、金美賢(34)と申智愛(23)が各8勝など総勢34人で100勝を達成した。しかも20代が20人もおり、選手層が厚いのが特徴だ。
だが、その歩みは決して平たんではなかった。韓国プロゴルフ協会が女子プロ部を立ち上げたのは78年。しかし、プロテストを受けたのはわずか10人で、ほとんどが生活費稼ぎにキャディーをしていた女性たちだった。具玉姫もその一人。当時の韓国は練習場も少なく、道具の調達にも苦労したという。在日実業家が運営する日本のゴルフ場に招かれて、練習する選手もいたという。具玉姫の初勝利は、ソウル五輪開催直前の韓国では、あまり注目されなかった。しかし、当時10歳の朴セリはハワイでテレビ観戦し、目標にしたという。
その朴セリは98年に全米女子オープンで韓国人初の優勝、経済危機にあえぐ韓国民に希望を与えた。また、その姿に刺激を受けた多くの少女たちがゴルフを始め、「朴セリ・キッズ」を生み出した。崔羅蓮や申智愛も朴セリ・キッズである。
現在、米女子ツアーには50人前後の韓国系選手が出場、一大勢力を築いている。経済成長に次いで、韓流熱風が吹いているが、スポーツの世界でも韓国パワーをいかんなく示し、さらなる飛躍を期待したい。世界を驚かせる選手が今後も登場し、ゴルフ大国を築いてほしい。(L)