今回の東日本大震災で、韓日の経済関係が密接不可分であることがはっきりした。韓国の自動車メーカーが部品不足で操短を余儀なくされたり、電子製品の製造に支障が生じたといったニュースが相次いだ。大韓商工会議所が国内500社を対象に東日本大震災による被害を調査した結果、1割近くの企業で被害が生じていることが分かった。「長期化すれば被害が予想される」と答えた企業は43%に達した。このように韓国産業へのダメージは小さくなく、大震災が一日も早く収束することを願う気持ちは韓国経済界にも切実なものがある。
最大の懸念は、部品や素材の安定的な調達だ。時計を動かす核心部品のムーブメントもそのひとつ。韓国の時計業界はムーブメントを全量輸入に依存しており、「1万ウォン台の安価な腕時計は当分生産できない」と悲観的だ。「スマートフォン(高機能携帯電話)の部品の10%が日本製だ。日本の部品がなければスマートフォンも作れない」「韓国では多くの企業がLCD(液晶ディスプレー)偏光板を量産している。だが、偏光板を保護するTACフィルムは日本に依存している」といった声も聞かれる。
大震災被害地域から輸入している部品比率は1・3%に過ぎないが、重要な部品が少なくない。これは韓国に限ったことではなく、米フォードは、特殊な光沢を出す顔料を作っている日本企業が被災し、塗料の調達に支障が出ているため車体が黒と赤の新車の受注をストップした。
いま、韓国産業界は、多くの国から原料や資材、部品を調達して製品をつくり輸出している。特に、韓国が得意とする自動車や電子関係では日本に部品などで多くを依存している。逆にいえば、日本にとって韓国は上得意先である。李御寧・韓中日比較文化研究所理事長は、今回の大震災で高まった韓国の支援ムードについて、「相互が依存する共同体だということを再確認できた」と述べたが、韓日が運命共同体的な関係にあり、助け合い、協力し合うことが大切であることを改めて認識した。(S)