東日本大震災発生から5週間になる。余震が続き、福島第1原発事故が「レベル7」に認定されるなど課題が山積しているが、一方で復旧への取り組みも本格化している。
震災後の混乱で、多くの文化活動も中止を余儀なくされた。しかし、「日々の生活を取り戻すことが復旧への一歩」「文化・芸術にもできることがあるはずだ」との声も高まっていた。
近藤誠一・文化庁長官も先日、「文化には力がある。一つはチャリティーコンサートなどを開いて被災地への義援金を集めること。もう一つは文化・芸術の力で心の傷を癒やすこと」と強調していた。まさにその通りではないだろうか。
韓国人アーティストや韓流スターの公演、韓日交流の催しなども多くがこの間、中止を余儀なくされた。しかし数多くの韓流スターや韓国人歌手が義援金を出し、被災者を勇気付けるメッセージを発してきた。香港でアジアの芸能人が集まって開かれた被災者支援イベントにも多くの韓国人スターが出演し、激励のメッセージを寄せている。
震災前、韓日の文化交流は大きな盛り上がりを見せていた。こういう時こそ、韓日の文化・芸術家によるイベントで被災者を支援すべきではないだろうか。
韓流スターの一人、柳時元(リュ・シウォン)さんは震災直後、義援金を送るとともに「被災地へ行ってボランティア活動ができる日を待ちたい」と語った。韓国では被災者支援の特別歌謡番組が放送され、都内では先日K―POPのチャリティーコンサートも開かれた。今度は被災地に直接出向き、韓流スターのコンサートや韓日文化交流のイベントを開催し、被災者を励ましてくれることを期待したい。
被災者の中には韓国ドラマをいつも楽しみにしていて、韓流スターのグッズを持って避難所に行った80歳の女性もいた。そのような被災者が笑顔で過ごせるひとときを、ぜひ迎えさせてほしい。(L)