昨年初めて500万人を超え、今年更なる飛躍が期待された韓日観光交流が苦境にある。3月11日に発生した東日本大震災と福島第1原発事故の影響で、外国人観光客が激減。韓国人観光客も3月は8万9100人と、前年同月比で47・4%減少したのだ。
その東日本大震災から7週間。復旧・復興への動きが進む中、自粛を余儀なくされた文化活動や観光産業も動き出している。被災者の厳しい現況や、原発事故が未収束という状況はあるものの、過度な自粛は逆に経済回復の妨げになるからだ。
被災地域からも、「被災者のことを忘れてほしくはないが、日本全体の景気回復のためにも普段通りの生活をして、東北へ観光にも来てほしい」との声が出ている。
人間は文化や芸術、娯楽、そして自然に接することを欠かしては生きてはいけない存在という。東北地方は自然と共生して生きてきた地で、青森の桜などは5月上旬頃が見頃だ。東北地域を訪問し、消費をすることも、広い意味で被災者支援につながるだろう。
観光庁は韓国人観光客を呼び戻すため、韓国語の観光情報を強化。
関西地域の自治体と観光業者は、韓国などで日本観光を盛り上げるイベントを計画したいとしている。
また釜山と長年交流してきた福岡市は、釜山市に日本観光を呼びかけ旅客運賃の値下げを発表した。これらの呼びかけに対して韓国側の反応は上々という。
一方、日本から韓国への観光客はGWを前に震災前の水準に回復しつつある。
500万人の韓日観光交流は、相互理解に寄与し、被災者への義援金活動が韓国で盛り上がった一因にもなったといわれる。日本での体験を通して親近感が増し、日本を支援したいとの思いで募金をした人もいるとのことだ。
韓日観光交流を早く再活性化させ、復興と韓日友好につなげていきたいものだ。(L)