スイスのレマン湖の北にある観光・保養の町ローザンヌは、1OC(国際オリンピック委員会)の本部がある「オリンピックの都市」として有名だが、世界的に有名なビジネススクールIMD(国際経営開発院)が毎年「世界競争力年鑑」を発表するたびに世界の耳目が集まる「国家競争力評価の都市」としても知られる。
この「国家競争力」で、韓国は今年、昨年より1つ順位を上げた22位にランクされた。韓国が調査対象に含まれるようになった1997年以来最高の成績であり、喜ばしいことだが、評価内容の細部をみると韓国が抱える課題も浮き上がってくる。
IMDの調査は、世界55カ国を対象に①マクロ経済②政府の効率性③ビジネスの効率性④インフラの4分野、323項目に関する統計や聞き取り調査の結果を集計、ランキングしたもので、国家競争力に関しては、生産性を重視する世界フォーラム(WFF)の国家競争力評価と並び、最も権威があるとされる。韓国は2000年代前半は30位圏にあったが、09年27位、10年23位と年々順位を上げてきた。最近、急速に高まっている産業競争力を反映した形だ。ちなみに、WFFの評価では24位(昨年)。
順位は上がっているが、まだ20位台。半導体、造船、カラーテレビなど世界一の産業を有し、世界7大経済大国入りをめざす韓国としては、この程度では満足できないだろう。IMDの細部項目の中で、韓国は物価や生活費など国民生活と関連する項目や外国人投資、非生産的労使関係、企業幹部の競争力などが低く評価されており、物価は52位と最下位レベルにある。なぜ低評価されているのか。まず、これらの弱点を正す必要がありそうだ。
IMDによると、国家競争力とは「企業の競争力を維持する環境を提供する国家の能力」を意味する。つまりビジネス環境ランキングである。かつてIMD評価で世界1だった日本の順位が、いまでは韓国より低い26位に低迷している。なぜ下がったのか。教訓にすべきだろう。(S)