2007年に就任し、今年末で第1期の任期を終える潘基文国連事務総長(67)が、2期目に挑もうとしている。ライバル候補も無く、国連安全保障理事会も支持していることから、早ければ今月中にも国連総会で承認される。2期目はどんな行政手腕を見せてくれるだろうか。
韓国初、アジア人2人目の国連事務総長として注目を浴びてスタートした潘事務総長だが、就任当初はリーダーシップに疑問を投げかけられる局面が多々あった。「親米すぎる」「カリスマ性にかける」などと批判され、また非効率な国連組織の運営を是正しようとして、職員の反発を受けたこともあった。
それらに対し、相手が納得するまで「説得と仲裁」を重ねる活動スタイル、「1カ月に地球を一周するペース」で世界を飛び回る行動力などが評価され、徐々に支持を拡大してきた。現在では「冷静かつ信念を持つ人物」と、国際的に高く評価されている。
潘事務総長の就任後、世界では大事件や大災害が頻発した。約23万人が犠牲になったハイチ大地震では約100人の国連職員も犠牲になる中、国連は被災者支援に全力を注いだ。ミャンマーを襲ったサイクロンで50万人ともいわれる被災者が出ると、同国の軍事政権と交渉して、被災者に救援物資が直接届くように手配した。
また最近では中東の民主化デモでムバラク大統領に退陣を促し、国連安保理のリビアに対する武力介入決議を引き出すなど、「人権」をキーワードに、粘り腰で積極的な活動を続けている。
潘事務総長は2期目の目標として、世界の貧困撲滅、民主主義の発展、気候変動や核問題などを挙げ、「国際社会の先頭に立って活動する」と意欲を見せている。韓半島の緊張緩和への積極的働きかけも期待する。「平和の番人」としての国連の位地を高め、よりよい世界を作るため、その手腕に大いに期待したいし、見守りたい。(L)