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2011/09/09

<鳳仙花>◆日本の野田新首相を見る韓国の視線◆

 野田佳彦新首相の内閣が発足した。韓国からは歓迎する一方で厳しい目も注がれている。野田首相が05年に「第2次世界大戦でA級戦犯と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない」と指摘したことを警戒しているからだ。A級戦犯はすでに赦免または刑が執行されたため、位牌がある靖国神社を参拝するのは法的に問題にならないというのが野田氏の認識とされた。

 韓国のメディアは「極右、軍国主義的な歴史観をさらけ出した」などと批判した。一部日本メディアも「歴史認識の欠如」と問題視した。周辺国に負わせた傷を忘却した無責任な歴史認識だといわれても仕方ないだろう。外交通商部報道官は「過去を直視しながら、韓日関係の協力が維持・強化され、成熟した未来志向の協力関係となることを期待する」との表現でクギをさした。

 野田首相は就任後の初会見でこの問題について、政府見解を踏襲する考えを示し、靖国神社にも公式参拝しないと明らかにし、韓国など近隣諸国とも良好な関係を築くべく全力を尽くすと強調した。

 いま野田首相は、東日本大地震の後遺症の中で、日本の新しい舵取りとして重い責任を負っている。アジア諸国との間で無用な波風を立てることは、百害あって一利なしである。野田氏は、民主党代表選挙で「ドジョウのように泥臭く国民のために汗をかいて政治を前進させる」と抱負を語った。韓国メディアは、「対外政策でもそうした姿勢を期待したい」と望んでいる。

 両国関係の現実は、すでに成熟段階に入っているといえよう。例えば、活発化する企業間協力がある。資源開発やインフラ整備などで第三国への共同進出も増えており、日本の識者も、政治はこのような流れを促進すべきであって、水を差すことがあってはならないと指摘している。その通りだと思う。韓日は、首脳同士が行き来し両国間の課題を話し合うシャトル外交関係にある。シャトル外交の日程を速やかに決め、言われているような懸念を払拭し未来志向の協力関係を再確認すべきではないか。(S)