ここから本文です

2011/09/30

<鳳仙花>◆韓国に届いた震災復興の誓い◆

 「未来をあきらめない」。2006年9月に公開され大ヒットした日本映画『フラガール』のテーマだ。映画は1965年の福島県いわき市の常磐炭鉱が舞台。閉山で失業者が増える中、町おこし事業として常磐ハワイアンセンターを立ち上げ、地元の女性たちがフラダンスショーを習い成功させるまでが描かれ、女性たちのひたむきな姿と友情が共感を呼んだ。

 東日本大震災で会場が被災し、フラガールの公演も中止に追い込まれたが、この半年間、日本全国を巡回公演し、被災地支援を訴えてきた。

 そのフラガールが巡回公演の最後として、ソウルに登場した。韓日文化交流を促進する「韓日・日韓交流おまつり」が25日にソウル市庁前広場で開かれ、「岩手さんさ踊り」など、東北地域のお祭りメンバーとともに招待されたのである。

 犠牲者への鎮魂の思い、被災者支援を続けてきた韓国への感謝、そして必ず復興するとの決意を込めて、フラガールや「さんさ踊り」のメンバーらは、精一杯の踊りを披露。会場を埋めた約4万人の市民から大きな拍手が起きた。それは、国境を越えた「絆」の大切さを実感したものだった。

 文化・経済的交流が進む両国だが、政治的には領土問題や戦後補償など、まだまだ問題が横たわってはいる。しかし、「困難な道のりだが必ず復興し、韓国の人たちの恩に報います」とフラガールのメンバーが答えた通り、「絆」を感じた市民同士の関係は、より強まっていくだろう。

 10月1日と2日に東京でも交流おまつりが開かれる。今度は韓国のダンスグループやK-POPの歌手たちが、一日も早い被災地の復興を願い、フラガールたちに負けない歌と踊りを披露するという。

 まつりの共通テーマは「共存共栄の21世紀」。韓日が共に豊かな未来を築き上げる、一つのきっかけになると信じる。(L)