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2011/11/04

<鳳仙花>◆韓国の人口問題◆

 世界人口が10月31日、70億人を突破した。国連人口基金によると、1998年に60億人だったのが13年間に10億人も増えたことになる。さらに今世紀末には100億人を超えると見込まれている。こうした人口急増に対し、国連は貧困と不平等、環境保護など世界が直面する7つの課題を挙げたが、その一つに高齢化がある。実際、世界の平均寿命は1950年代初期の48歳から68歳へと20歳も伸びている。高齢化問題は韓国や日本だけでなく世界の課題となったわけだが、韓国の高齢化は相当に深刻な状況になっている。

 韓国の人口は、4840万人で世界で26番目に多いが、統計庁によると、少子高齢化が急速に進むことで、2018年からは人口が減少し始め、50年には現在より600万人以上減少すると予想されている。65歳以上の人口比率は10年の11%から50年には38・2%と世界トップクラスの老人国家になる。人口が減れば、経済全般に影響を及ぼす。労働力不足で成長潜在力が低下し、年金・医療などの財政問題が深刻化するだけに対策が急がれる。

 韓国政府はこの間、新婚夫婦を対象に住宅資金の貸出条件緩和や出産奨励策などの対策を講じてきたが、出産できる社会的な環境づくりも大切だろう。結婚適齢期である20代後半の女性の未婚率が高く、3人のうち2人が未婚のまま30代になり、30代でも5人に1人、79万人が未婚という現実がある。

 現状をみると、解決すべきことが多い。例えば、非正規職が600万人近くに増えており、サラリーマンの3人に1人が非正規職者だ。待遇を正社員並みにすることをまず検討すべきだろう。格差が拡大し、中間層が縮小しているのも問題だ。20代から40代の平均70%弱が将来に対して不安を感じており、先の市長選挙では30代の76%が野党候補に投票した。現状に対する強い不満を示すものだろう。

 韓国は成長一辺倒できた。だが、少子高齢化、人口減少時代を迎え、生活の質を豊かにするため、社会政策を強く推進する必要がありそうだ。(S)