日本の女子ゴルフツアーで安宣柱(24)が、2年連続の賞金女王となった。20日の試合で8位に入り、獲得賞金額を1億1972万円とし、最終戦を待たずに確定したものだ。
外国人ゴルファーの連続賞金女王は、80年代から90年代初めにかけて活躍した台湾出身の涂阿玉(ト・アギョク)以来の快挙で、その強さに敬意を表したい。
安の強さはどこにあるのだろうか。まず海外生活への適応力だ。日本ツアーには昨年から参戦しているが、アニメの「名探偵コナン」を見て日本語を覚え、日本食も何でも食べる。日本のファンとも積極的に交流し、最近ではファンメールが急増しているという。
次が高い技術と猛練習だ。恵まれた体から放つ飛距離に加え、平均ストローク、パーセーブ率で1位となるなど安定したプレースタイルを誇る。そして他のゴルファーが休んでいる時も、9時にゴルフ場に入り午後5時まで苦手だったパットの練習に打ち込むなど、ひたすら練習に励んでいる。
「日本という異国での生活のため話し相手が少なく、その寂しさを練習で埋めた」と安は語っているが、そのゴルフへのひたむきさは、日本人選手たちから「見習わないといけない」と声があがるほどだ。
そして最も注目されるのがメンタルトレーニングだ。自己啓発書を熟読し、専属のメンタルトレーナーを付けて、プレッシャーに負けない精神力を培っている。2年連続賞金女王へのプレッシャーで、この1カ月ほどは眠れない日々が続いたが、メンタルトレーニングで克服したという。とても24歳とは思えないプロ意識、プロ根性である。
安は来年以降も日本ツアーを主戦場にするという。涂阿玉は日本ツアーで5年連続賞金女王という輝かしい経歴を残した。その涂阿玉のように勝ち進んでほしい。日本女子ゴルフのレベルアップにもつながるだろう。(L)