2012年、辰(竜)年が始まった。韓国戦争の荒廃から立ち直り「アジアの竜」と呼ばれた韓国が、昨年は世界で9番目に年間貿易額1兆㌦を突破した。経済だけでなく、文化、スポーツなど各分野で、壮大な竜のように、アジアの時代を先導する役割を果たしてほしいと願う。
さて文化といえば真っ先に頭に浮かぶのが、やはり「韓流」だろう。昨年末の紅白歌合戦に少女時代、KARA、東方神起が出場し、流ちょうな日本語であいさつし歌う姿は、日本のお茶の間に韓流が完全に定着した象徴的なシーンだった。人気若手女優の武井咲(18)も大の韓流ファンという。
日本に韓流が広まって約10年。裵勇俊(ペ・ヨンジュン)の『冬のソナタ』や映画『シュリ』などのヒットに始まり、最近ではK-POP、時代劇ドラマ、ファッション、グルメなど多岐にわたっている。10代の若者にとっては、物心ついたころから韓流があったわけで、親しみを持つのも当然といえるだろう。
最近の世論調査では、韓国に親近感を持つ日本人が70%近くになるという。1980年代前半、韓国に親しみを持つ日本人が数%に過ぎなかったことを考えると、まさに夢のようである。
韓国のあるエンタメ関係者は、今年のキーワードを「アジア」と「現地化」と語った。日本市場の土台固めを行うと同時に、アジア全体にファン層を広め、また「ユーチューブ」や「フェイスブック」などを活用してコンテンツを世界に配信し、欧州や米国でもファン層を拡大する計画だ。昨年、米国や欧州、南米でK-POPコンサートを試験的に開き、熱狂的なファンが集まったことで、手ごたえを感じているという。
今後、数年内に米国市場で成功するK-POPスターが複数登場すれば、韓流が世界的認知度を得るだろう。そのためにも、これまで以上に質の高いコンテンツ作りをしてほしい。(L)