国際原油価格が1バレル=100㌦を超え、第2の中東建設ブームが起きている。これは韓国にとって、再びオイルダラー還流の大チャンスだ。1970年代に2度にわたるオイルショックで原油価格が急騰し、中東産油国は大量に流れ込んだオイルダラーを大規模インフラ投資に注ぎ込んだ。韓国の建設企業は、淡水化設備、発電所、港湾、道路、住宅などありとあらゆる建設工事を受注し、外貨の稼ぎ頭となった。夢よ再びである。それを中東産油国の要であるサウジアラビアに見てみよう。
砂漠の国、サウジはいま「モダンカントリー」(近代国家)構想のもと大規模投資を計画している。今後5年内にエネルギー、交通、水処理、住宅などインフラ構築に4000億㌦を投入する計画で、鉄道、地下鉄、空港、港湾など交通分野だけでも1000億㌦にのぼる。韓国企業はこれらの事業に相当に食い込めると期待されている。
実際、サウジが昨年発注した建設工事720億㌦のうち、韓国企業は23%の166億㌦を受注した。53%を受注したサウジ企業を除くと、最大規模だ。特に、高い技術力を要するプラント受注額は146億㌦に達した。
これまでサウジは、国内企業への発注に優先権を与えてきた。だが、工事規模が大型化するにつれ、技術力などで外国企業の協力が必要となった。白羽の矢を当てたのが韓国企業であり、いまではすっかり現地に根付いている。
最近も、サウジが発注した2つの大規模石油化学プラント工事に韓国企業が相次いで入札し、韓国企業同士の受注合戦の様相を呈しているほどだ。
サウジで韓国企業は「ノウハウと経験があり、施工能力に秀で、工事期日などを守ってきた」と高く評価されている。70年代から積み重ねてきた実績が大きな信頼となっているのだろう。韓国は今年、中東地域で昨年を40億㌦以上上回る340億㌦の受注を見込んでいる。オイルダラー還流の好機を迎え、韓国建設企業のさらなる活躍を期待したい。(S)