韓国プロ野球が大きな転機を迎えようとしている。8日に開かれた韓国野球委員会(KBO)理事会で、新球団・NCダイノスが来年度から1軍リーグに参加することが正式決定した。これで来期の韓国プロ野球は9球団で運営されることになる。
KBO内部では、早期に10球団目も創設し2リーグ制に移行すべきとの意見も出ているが、具体的運営については論議が続いている。日本と同じくプロスポーツで最高の人気を誇るプロ野球だけに、成り行きを注目したい。
韓国プロ野球は、82年に6球団で発足した。時期尚早との意見もあったが、韓国にプロスポーツを根付かせるチャンスと決断したという。発足後は順調に観客動員を増やし、91年から8球団1リーグ体制となった。90年代半ばに一時低迷したものの、国際大会での韓国代表チームの活躍などで人気が盛り返し、昨年は680万人の観客動員を実現した。今年は700万人の観客動員を目指している。
そんなプロ野球人気を背景に新球団が誕生するわけだが、球界内部では、韓国の現状では8球団がリミットとの反対意見もあったと聞く。しかし、拡大に向けて動き出した以上、ぜひ成功させてもらいたい。
そのためには球場の整備と、すそ野の拡大が急務だろう。日本のような5万人規模の大型球場は韓国にはなく、3万人規模がソウルと仁川にあるだけだ。地方球場は1万人規模で施設も老朽化している。これでは新しい観客を取り込むのは難しい。
また日本のように少年野球の下地がなく、野球部がある高校は50校ほどしかない。そのため高校球児がプロチームに入団できる可能性は高いが、レベルに問題があるとこれまで指摘されてきた。
韓国プロ野球の真の発展を考えるならば、新球団発足と合わせて、この2点にも早急に取り組み、将来は1000万人観客動員を目指してほしい。(L)