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2012/08/03

<鳳仙花>◆神弓、韓国女子7連覇の偉業◆

 ロンドン五輪アーチェリー女子団体戦で、韓国代表が7連覇の偉業を達成した。まさに神弓である。アーチェリーに団体戦が導入された88年ソウル五輪以来、負け無しだ。

 五輪の連続最多優勝記録といえば、米国が男子棒高跳びで1896年第1回アテネ五輪から68年メキシコ五輪までの16連覇がある。同じく陸上400㍍リレーで1929年アントワープから56年メルボルンまでの米8連覇もある。五輪7連覇は、ドイツの乗馬団体7連覇(84年ロス五輪~08年北京)と並ぶ五輪3位タイの連覇記録だ。しかし、米国やドイツは同競技で長い歴史を誇り、他国の競争相手も少なかった。一方、韓国はアーチェリー自体が導入されて半世紀足らずで、他国チームとの厳しい戦いを制して連覇を達成した。その強さの秘密はどこにあるのだろうか。

 韓国にアーチェリーが紹介されたのは1959年。石奉根というソウル首都女子高の体育教師が、同校にアーチェリー部を作ったのが始まりとされる。60年代末には体育活動にアーチェリーが取り入れられるまでに広まった。

 アーチェリーは直径122㌢の標的に70㍍先から矢を当てる競技で、10点満点となる中心部分は12・2㌢ほど。五輪選手が矢を射れば、時速250㌔で飛び、引き重量は20㌔を超える。強い筋力と集中力、精神力が要求されるスポーツだ。

 騎馬民族国家といわれる韓国は、歴史的に弓矢と縁が深い上に、アーチェリーの指導者は、早くから科学的な訓練を行ってきた。特に集中力を重視し、体系的な心理トレーニングを導入した。この心技体すべてを鍛え上げたことが世界トップに君臨する理由なのだろう。

 今大会でも風雨の多いロンドンを想定して、韓国チームは暴風雨の中で猛練習を繰り返し五輪に臨んだ。7連覇の背景には、このような血のにじむ努力があった。団体戦に続き、個人戦での金メダルも期待したい。(L)