韓国の中部圏に新都市、世宗特別自治市が誕生した。ソウルの南120㌔に位置し、開発対象面積は73万平方㍍。誕生1カ月の7月末現在で10万人を突破し、現在も増え続けている。ただの新都市ではない。行政機能を中心に科学ビジネス、文化を連携した行政複合都市として構想された。果たしてどんな新都市になるだろうか。
計画では、2014年までに16の政府中央機関と傘下の研究所など36機関が順次移転する。移動する公務員は1万人以上にのぼる。あす15日の国務総理室を皮切りに年内に企画財政部、国土海洋部、環境部、農林水産食品部など、来年には知識経済部、科学技術部、雇用労働部など経済部署はすべて移転する。事実上の「経済首都」だ。
この新都市の最大の使命は、40%にのぼる首都圏への過度な人口集中を是正し、国土の均衡開発を図ることにあり、行政機関を大挙移す狙いもそこにある。問題は、人々の根強い首都圏志向を変えることができるかだが、世宗市関係者は「住む環境が人々の意識を変えるだろう」と希望を託している。
世宗市の在り方をめぐる論議も活発で、最近の討論会では「希望の未来都市」「世界的なブランド都市」に建設すべきといった声が相次ぎ、期待も大きい。確かにいくつかの新機軸があり、最新大衆交通網を整備したスマート都市、また公園緑地率が52%の環境に優しい都市としても設計されている。国際公募で、都市中心部に中央公園、湖水公園、国立樹木園などランドマークとなる大規模公園が造成されるのは、世界でも珍しい。
メガロポリス都市に発展すべきとの声もある。周辺の大田、清州、清原なども統合した500万人台の第2の首都に発展させ、ソウル集中を防ごうというものだ。このように世宗市はさまざまな可能性が期待できる都市だ。どのような都市にすべきか。めざすは世界的なモデル都市だ。世宗市の今後を見守りたい。(S)